■成果主義
近年の大企業の人事評価制度では成果主義を採用している
ことが多いのが特長の1つとしてあげられます。
成果主義とはその名の通り設定した課題に対する実績を評
価します。
ですから、「頑張ってやっていた」と言うようなプロセス
を評価するものではないのです。
しかし、営業部門のように具体的に数値となって成果が表
れる場合はまだ良いのですが、間接部門や毎日同じことを
繰り返している製造部門の場合、課題の設定と評価が非常
に難しいものとなります。
また設定する課題の難易度が具体的な基準があったとして
もそれとリンクさせるのが難しい場合が少なくありません。
このため成果主義の評価では課題設定自体にも公平性など
において不満を持たれることがあります。
しかも評価に関しても多くの場合環境的な要因によって評
価が変わってしまうことが多いのです。
例えば、野球のピッチャーを例にしてみましょう。
あるピッチャーA投手は今年10勝することを目標としまし
た。
しかし、ピッチャーが勝つためには野手が点を取らなくて
はいけません。
ピッチャーが0点に抑えても自軍も0点だと引き分けです。
また守備でエラーが多いと失点が増え勝ち星につながらな
いこともあります。
このように自分の能力の発揮に加えさまざまな要因が絡ん
で最終的な結果となるのです。
別な例を見てみましょう。
人事部のBさんは人事制度の変更と言う大きな課題を持ち
ました。
しかし、期中で経営の考えが変わり、人事制度の変更が中
止となってしまいました。
このBさんの課題は人事制度の変更だったですが、変更出
来ていません。
よってBさんは課題未達成となります。
この未達成の要因は明らかに本人の能力の発揮以外にあり
ますよね。
このまま評価されると当然Bさんはやる気がなくなってし
まいます。
ですから環境要因がマイナスに作用したことによる加点で
評価の修正をかける仕組みを持っておくと良いでしょう。
もちろん環境に恵まれてプラスに作用した場合の減点もあ
りです。
■管理者によるプロセスを褒める効果
さて、成果主義においてはプロセスは評価しないと言いま
した。
ですが管理者は自部署のメンバーに対して、その人が取り
組んだ課題のやり方・進め方などのプロセスについて良い
点はは大いに認めてあげてください。
課題を細分化していくと成果が表れている小さな目標が見
つかるものです。
この小さな目標の達成を褒めてあげてください。
その際、前向きなポジティブな言葉を使うと良いでしょう。
「よくやった。ありがとう。」
たった一言で気持ちが前向きに変わるものです。
そしてまたモチベーションを高めながら次の課題を実行す
ることでしょう。