従業員を雇用している企業は就業規則を作ることをオススメしています。なぜなら、働くルールの基本が明確になっていないからです。
10名以上雇用している企業は当然ですが、それ未満でも作成した方が良いです。
就業規則であまり気にしていないことかもしれませんが、「全ての従業員がいずれかの就業規則が適用されている」ことは当然のことであり、会社の運営上も大切な事です。実際出来ていない企業は少なくありません。
今回はそのことについて書いてみます。詳しく見てみましょう!
就業規則は誰のためのもの
作成した就業規則の対象者は誰ですか?
それは、就業規則の最初にある「総則」に謳われています。
1 この規則は、株式会社○○の労働者に適用する。
2 パートタイム労働者の就業に関する事項については、別に定めるところによる。
3 前項については、別に定める規則に定めのない事項は、この規則を適用する。
「適用範囲」という条文で、この就業規則の対象者を明示してあります。
上記の例で言うと、この会社の「労働者」に適用するものの、パートタイム労働者に関しては別途「パートタイム就業規則」のようなものが定められている。よって、この就業規則は一般的に言われる所の「正社員」に適用されるものだと分かります。
直接雇用している従業員全員を網羅していますか?
先ほどの例で言うと、「正社員」と「パートタイム労働者」は、それぞれに対応した規則があります。それ以外の属性の従業員はいないのか?確認してみてください。
例えば、定年を迎え、再雇用した従業員はどこに当てはまりますか?
「フルタイム・月給制なのでパートタイムではないよなぁ~」
と言うことであれば、再雇用した従業員が適用される就業規則が必要です。
また、「定年後希望者全員65歳まで再雇用」と規則に謳われているものの、65歳を超えても雇用し続けているケースも少なくありません。
「規則はないけど運用で!」という話はよく聞きますし実際あります。ですが、全ての従業員がいずれかの就業規則に適用されているべきだと考えます。
65歳超をどうする?
再雇用者の就業規則で「再雇用は65歳まで」とするのであれば、65歳超をどうするか?については、以下のいずれかの対応が必要です。
①再雇用制度を延長して65歳超も適用とする
②65歳超はパートタイムに移行する
③65歳超は新しい雇用区分を設ける
④65歳超は雇用しない
④については、65歳超70歳までの就業確保についてこの記事を投稿した日時点では『努力義務』となっているので、①~③を考えるの良いです。
今回のまとめ
- 「全ての従業員がいずれかの就業規則に適用されている」状態になるように就業規則を整備する。