残業がないという会社は稀です。ほとんどの会社では残業や休日出勤をしてもらっています。
ところが、そのルールを理解されない状態で残業をさせているケースや時間外手当の計算が間違っているケースもあります。
今回は、これらのルールを確認してみましょう!
まずは、大前提の労働時間や休日についてです。
労働時間
【原則】休憩時間を除いて1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはならない。
【例外】特定措置対象事業場(常時10人未満の労働者を使用する事業場で、商業、映画・演劇、保健衛生業、接客娯楽業の業種)は、1日に8時間、1週間に44時間を超えて労働させてはならない。
休日
毎週少なくとも1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならない。
残業させたい時
労働者の過半数で組織する労働組合(労働組合がない場合は、労働者の過半数を代表する者)との間で『時間外労働・休日労働に関する協定(通称:36(サブロク)協定)』を締結し、これを事前に所轄労働基準監督署に届け出た場合は、一定の範囲内で、法定労働時間を超えて、あるいは法定休日に働かせることができます。
実際に残業させたとき
さて、実際に残業させた時は時間外手当を支払う必要があります。
時間外手当の計算方法について見てみましょう!
時間外手当
時間外労働や休日労働をさせた場合、また深夜(午後10時から午前5時)に働かせた場合は、割増賃金を支払う必要があります。
時間外労働が深夜に行われた場合は割増率を合算する必要あります。
割増賃金の算定(月給制の場合)
ベースとなる1時間あたりの賃金単価の求め方
①計算のもとになる賃金
基本給に諸手当(除外できる手当あり)の全てを加えた金額
※除外できる手当:「家族手当」「通勤手当」「別居手当」「子女教育手当」「住宅手当」「臨時に支払われた賃金」「1か月を超える期間ごとに支払われる賃金」
②1か月あたりの平均所定労働時間
年間の暦日(365日または366日)から所定休日日数を減じます。
これに、1日の所定労働時間数を乗じます。
更に12カ月で割ったものが1か月あたりの平均所定労働時間になります。
③割増賃金の1時間単価
上記①で算出した金額を②で算出した1か月あたりの平均所定労働時間で割ります。
これに(1+割増率)を乗じたものが、割増賃金の1時間単価になります。
割増率
・時間外労働:25%以上(1か月60時間超の時間外労働は50%以上。中小企業も2023年4月1日から適用です)
・法定休日労働:35%以上
・深夜労働:25%以上
・時間外労働が深夜に行わる場合:25%+25%=50%以上(1か月60時間超の時間外労働が深夜:50%+25%=75%以上。ただし、中小企業は2023年3月31日まで猶予)
・法定休日労働が深夜に行わる場合:35%+25%=60%以上